目的は生き延びること

作品概要

王国で最も栄えある家に生まれたファリティナは、悪夢から自分の身を振り返る。そういえば、2年ほど前に弟が生まれなかったか？忘れていたけど、会いに行くと可愛くて、病弱なこの子を守りたいと思った。

あの悪夢が予知夢だったら、この子も自分も、ほかの弟妹も、公爵家の没落に巻き込まれて死んでしまうの？

せめて生き延びることができたら、いつかは笑える日がくる。

貴方は私が守ります。貴方の笑顔が私たちの希望。

目的は生き延びること　より引用

政治的なしがらみ、頼れる大人の存在がない状態の主人公が色んなものを諦めながらも、兄弟のために藻搔く作品です。

本作品をオススメできる人

• 家族愛を感じられる作品を探している人
• 都合よく行かない世界での奮闘が好きな人

読んでみての感想

※書籍とWeb版とで題名が異なっています。
この感想はWeb版を読んでのものです。

本作では転生して知識を得たわけでなく、主人公が見た未来の悪夢を回避していくお話です。

「子供という立場で一体何ができるのか？実際は何もできないだろう」という考え方が作品の根幹にあります。

力を持たない未成年なりに、家族を救おうと奮起する主人公がとても健気です。

上記から本作は家族愛がベースの作品なのかと思いきや、腹違いの弟がほぼ恋愛感情を向けている状態になったり、
立場を悪くするきっかけとなった王子と元サヤの雰囲気もあり、少しモヤモヤしました。

特に王子は何か大きく変わったわけでも、償ったわけでもないのに主人公が絆されるような描写があるので、
苦手な方は避けた方がいいかもしれません。

好みの分かれる要素

• 弟からの恋愛感情表現

感想でも記載した通り、家族の絆を描いているのに弟から重めの愛情を向けられている描写があります。
個人的にはシスコンや家族愛で収まる範囲の描写だった方が良いなと思いました。

というのも、家族愛という作品の根幹に対してノイズだからです。
綺麗なテーマに対して、弟だけ自己の欲で動くような印象になるのは好みではありませんでした。

漫画版

本作品はコミカライズ作品のみです。
作画も綺麗で読みやすいので気になった方はぜひ参考ください。